定食屋でのアルバイトの思い出

数種類のアルバイトを経験したことがあります。その一つに定食屋さんでのアルバイトがあります。時給がよかったこともあるのですが、客として通っている時から店のファンだったのです。何がほかのチェーンの定食屋さんと違うかというと、ご飯とお汁(ちゃんと具入り)がおかわり無料だったのです。これで通うようになり、アルバイト募集のチラシを見て、働くことにしました。
 正直、ロクに自炊もしたことがなかったので、不安でしたが、大丈夫でした。店長さんが初日に一言。「お客さんはご飯を食べに来ているようで、実はそこの店の雰囲気を一緒に味わっている。」という内容だったと思います。同じような定食屋はあちこちにあって、そんなに味が変わらないなら、安いところがいいし、入りやすい店、明るい店を無意識に選ぶという分析だったようです。お盆やテーブルが汚かったり、清潔さの問題はもちろん、店員の愛想がなかったりすると、すぐに人の出入りがなくなるんだそうです。そうしたことから、「元気なあいさつ」、「キビキビした動き」、「店内への気配り」の三つをしっかり守ってほしいとだけ言われました。これは、就職した今でも大変役にたっています。
 洗い物中心でしたが、残飯の振り分けくらいが面倒なくらいで、後は大型の食器洗い機に放り込むだけですし、簡単な作業といえば作業でした。元気よく挨拶といっても、最初はずかしかったくらいでしょうか。そのうち、「アンタはいつも元気やね」とお客さんに覚えてもらうことができました。うれしかったです。
 ただ、忙しい時間帯はちょっとした戦争でした。怒鳴り声こそ、飛び交いませんが、動きが悪いと邪魔者扱いされたこともありました。アルバイトという気持ちがあったせいでしょうか。ともかく、働いている瞬間というは、アルバイトも社員もありません。各個人とも、誰かの指示を待つのではなく、自分で考えて積極的に動く必要があるんだということを学びました。
 もし、この定食屋でバイトしていなければ、就職してから、教わるのは辛かったかなとも考えています。いい経験です。

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